〈葬儀場〉に入り、ポータルを探した。
歯を食いしばり、爪を左前腕に突き立てて、乾いた裂ける音と共に皮膚を引き剥がした。柱のあいだの冷気が、熱望するかのように強まった。ポータルが、わずかに開いたかのように……
人差し指の先端を刺し、傷が治癒する前に数滴の血を絞り出した。自分の後悔を書く準備をしながら、様々な光景が心に浮かんだ……その言葉を独りささやきながら、しかしその後悔は、心の中に反響した。
「多元宇宙じゅうで引き起こした死を、後悔している」
その後悔を、皮膚の断片に書きこんだ……しかし治癒能力により何度も中断し、再び指を切って血を絞り出さなければならなかった。数分して書き終え、皮膚の断片の上で血が輝いた……私の肉体と、血と、後悔が一つになった。
血の後悔が乾くのを見ていると、冷気の波に襲われた。視線を上げると、アーチの両脇の黒ずんだ柱が柔らかく光っていた。霧のような青い光の微片が漂い、中央に揺らめくカーテンを形作る。そのカーテンの先に、闇へと続く風化した石の舗装路がかすかに見えた。私はノルドンに、準備はいいか尋ねた。
「質問:受信。応答:ノルドンハ準備ガテキテ、待機デス。サラナル指示ヲ勝利スルタメ、待機中デス」
「正しくは“処理”だが……気にするな。フォール゠フロム゠グレイスは?」
「わたくしは、はるばるここまで来ました。土壇場で引き下がれば、自分に失礼というものでしょう」
彼女はわずかな微笑を浮かべた。
「たとえあなたが丁寧に止めたとしても、わたくしは承服しませんよ」
「なら、私に選択の余地はないようだな……アンナは?」
「私は……」
アンナはフォール゠フロム゠グレイスをにらみつけ、そして私のほうを向いた。その瞳に炎が見える。
「
「よし。ダッコンはどうだ? 私と来るか?」
「お主の道は、儂の道だ」
「モーテ? 準備はいいか?」
「あ~」
モーテは躊躇し、ポータルを
「その、ここであれこれ言うつもりはないけど、でも、あ~……えっと、アンタに言うべきことがあるんだ……」
「何だ、モーテ?」
「えっと、オレたちが行く場所についてさ……それか、正確には……オレたちが……
「
それはほんのわずかで、ほとんど見逃すところだった——ダッコンの刃が揺らぎ、ふちが曇ったのだ。彼を
「これは……あ~、初めてじゃないんだ、オレたちがあれを通ったのは……つまり、その〈後悔の要塞〉には、行ったことがあるんだ……でも、オレたちは……オレは……その時は知らなかったんだよ」
「モーテ、説明してくれるか……今はもう、嘘もごまかしもなしだ」
「アンタがそこに行くまで、説明するのは難しいんだ……それに、アンタは、あ~、
モーテを〈髑髏の柱〉から解放した実際的な私のことを言っているのだろう。
「それで……何が起きた?」
「ええと、オレたちはそこに行って——その〈要塞〉に、それで足を踏み下ろす前に
彼は震えた。
「だから
「なぜそう言えるんだ?」
「〈要塞〉で待ってるのが何であっても、それは一度アンタを負かしてるからさ、大将……アンタがどうやって生き延びられたか分からないけど、もしまた倒れたら、〈要塞〉から引きずり出す誰かが必要だろ……」
「モーテ、お前が〈要塞〉について知っていることは、すべて話してもらう必要がある……重要なことなんだ」
「その〈後悔の要塞〉は……何リーグも広がってる。〈要塞〉だけど、それ自体が次元界みたいだ。ぜんぶが石で、ぜんぶが暗くて、ぜんぶが影だった——どこもかしこも影だ。そこに行くなら……準備しといたほうがいい」
「最初にそこに行った時、何が起きたんだ?」
「大将、
「ちょっと待て。お前が言う『オレたち』は、お前と私だけではないように聞こえるぞ」
モーテは黙りこみ、代わりにダッコンが答えた。
「儂は何度もお主の道を歩いたことがあると識れ」
ダッコンはゆっくりと、一言一言を測るかのように喋った。心が漂うかのように、彼の刃が霞がかった灰色になった。
「お主の道の一部は、儂に識られておる。〈要塞〉への道を、五人が歩んだ。それぞれが、自らの死を迎えた」
「だが……誰だったんだ? 彼らはどうやって死んだんだ?」
「儂は信仰の死を迎えた。髑髏は勇気の死を迎えた。女性は悲嘆の死を迎えた。盲目の射手は最終的で最も慈悲深い、身体の死を迎えた。お主は……お主は記憶の死を迎えた」
彼が誰のことを言っているのかは分かった。フェルが説明した者たちと同じだ。髑髏はモーテ、女性はダイアナーラ、射手はザカリア。
「そうさ……」
モーテが震えるかのように音を立てた。
「大将、あの〈要塞〉には——
「そこには闇があった。その影すべてが、シュラクトロールであった」
ダッコンの声はささやき声で、その漆黒の瞳は私の向こうの何かを見つめているかのようだった。
「彼らは苦しめられた生き物である。お主の魂の傷は、彼らに識られておる。彼らはその傷を通して、お主を攻撃するだろう」
「ヤツらは〈髑髏の柱〉みたいに話してた……」
モーテは声を落とした。
「ヤツらは知ってるんだ……」
「大丈夫だ。お前たち、〈要塞〉について知っていることを、すべて話してくれ……」
「影たちは苦しんでおる。彼らは苦悩を識っておる。お主の心を傷つけたものを使い、お主を
「ダッコン……モーテ、お前たちと私は生き残った。射手とダイアナーラには何が起きたんだ?」
「射手は身体の死を迎えた。女性は霊魂の死を迎えた。儂はあの女性を救えなかった。彼女を救うことが、お主の
「しかし……なぜ私は彼女を救うことを望まなかったんだ?」
「お主の意志が識られておるのは、お主だけだ」
ダッコンはそう言った。
「もう言えることはないよ、大将」
モーテが言った。
「到着と同時に離ればなれになるってこと、
「そこには何も生きておらぬ。壁は闇である」
ダッコンが加えた。
「分かった——ポータルを通り抜ける前に——私の助けになりそうな、共有したいことは
「う~ん……」
モーテが固まった。
「ああ、知っとくべきことが、もう一つあるよ——以前知ってた
「どういう意味だ?」
「あの別の
「だが、言いたいのはそれだけではないだろう?」
「ああ……」
モーテは間を置いた。
「もう一つある——あの
「私には無理だと思っているんだな?」
「いや……」
モーテは頭を振った。
「そうじゃないよ、大将。必ずしも一番賢いヤツや、一番強いヤツや、一番タフなヤツとは限らないんだ……ときに決め手になるのは、自分が誰なのか、自分が
「お前の言うとおりだ。なあ、モーテ……話し合ったことはなかったが、お前が私とその場所に行く必要がないことは分かっているだろう? 行きたくないのであれば、私は構わない」
「ああ……分かってるさ、大将。それにアンタには嘘をつけない……オレは行きたくない……でも、行く。知っておいてくれよ。一度あのポータルをくぐったら、もうアンタだけのことじゃないってことを。アンタがもてあそんでるのはオレたちの生で、オレたちは死んだら立ち上がれないんだぜ」
「なら、なぜお前は……」
「ラヴェルさんが〈迷路〉でおっしゃったことが理由でしょう」
グレイスの声は柔らかく、あまりにも柔らかくて聞き逃すところだった。
「そうでしょう、モーテさん?」
「ラヴェルが〈迷路〉で言ったこと——アイツはアンタが、苦しむ人々を磁鉄鉱みたいに引き寄せるって言ってた」
モーテは頭を振った。
「それはきっと、アンタがずっと苦しんできたからだ。きっとアンタがついに成し遂げたら……
「そうかもしれないな。なら……一緒に来てくれるのか、モーテ?」
「当然だろ、大将?」
モーテは頭を振った。
「つまり、オレたちは多元宇宙で考え得る、どんな恐ろしい次元界にも行っただろ。そんな絶壁の上なら、もう一歩踏み出すのも変わらないじゃないか」
彼はガタガタとため息をついた。
「
私は大丈夫だと答え、そして仲間と一緒に、友と一緒に、ポータルに入った。