私たちは吹きさらしの不毛な風景の中に立っていた。巨大な四本足の生き物の骸骨が、周囲を威圧している。そのそびえ立つ頭蓋骨の眼孔の中で丸くなり、眠りに落ちた。この地の動物たちが襲ってきたが、すぐに追い払った。
〈迷路〉でラヴェルに会った時から悩まされていたことを話し合うために、アンナを脇に連れ出した。ラヴェルとキスした時のことを説明しようとしたが、彼女が話をさえぎった。
「ああ」アンナはうなった。「そんなマユツバを掘り下げるのはやめて。フィーンドと唇を重ねたいなら、あの
彼女はつばを吐いた。
「さあ、
私はラヴェルが言っていたことについて、別の質問をした。
「〈迷路〉でラヴェルは、お前が苦しんでいると言った……どういう意味だ?」
アンナは眉をひそめた。
「意味なんてないわ、ほんと。
「確かか?」
「なんでもないって。あいつの言葉があんたに分からないなら、私にも分からないわよ」
「ええと、もし話したいなら、私は聞——」
「私……」
アンナはしばらく視線を落としていた。
「なんであんたと旅してるか分かんないわ! なんであんたと、ラヴェルなんか探しに行ったのか!」
彼女は顔をしかめたが、怒りよりも混乱がまさっているようだ。
「意味分かんないわ、ほんと、それに気に入らない」
「私……」
アンナは深呼吸をした。
「あんたに特別な感情があるみたい。変な感じなの、ほんと……誰かを好きになったことなんてなかったわ。でもあんたは……」
アンナは私と目を合わせずに、ぶっきらぼうに肩をすくめた。
「あんたのことが、分からないのよ……いつもバカだし、腰が折れてるみたいに歩くし、不器用だし、ゾンビみたいな臭いがするし、でも……」
彼女はため息をついた。
「私はあんたが好き」
私は躊躇し、悩んだ。私に付いてくる誰かが、特に私を気にかけてくれる誰かが破滅するのが怖いから、求められないほうがずっとよかったのだと、どうやって説明できるだろうか? 私がためらっているあいだに、アンナは喋り続けた。
「あんたは、破滅する運命にあると思うから」
アンナが不意に目を合わせた。
「あんたは鎖を引きずって歩いてる。でもそれに気づいてない。だから……好きだけど、心配なの……死ぬほど心配なのよ。傷ついてほしくない、でもどうすればいいか分からないの!」
私と鏡写しの彼女の心配が、心に刺さった。私は何も言わず、体を寄せた。
空いた手でアンナの首の後ろをつかみ、彼女の顔が石に変わるのを見ながら、引き寄せて唇にキスをした。最初は壁にキスしているようだった。その後、彼女はゆっくりとキスを返しはじめた。初めはためらいながら、徐々に積極的に、彼女の歯が私の上唇を軽く噛む。喉の後ろからうなり声が聞こえ、尻尾が私の脚に巻きつき、噛みつきに合わせて締めつけてくる。
私たちは、当然ながら、近くに立っている仲間たちのことは忘れていた。モーテが彼なりの方法で、そのことを思い出させてくれた。
「ダバスを連れてきて引き離させる前に、やめてくれないかな!」
モーテはふんと鼻を鳴らす。
「もしくはオレも混ぜてくれ」
キスしながら、不意にアンナの肌が熱くなったことに気づいた——燃える石炭のように、熱を放出している。アンナの最後のひと噛みの後、私は後ずさった。彼女は当惑しながら私を見て、そして腹を立てた。
「なによ? 下手だっていうの?」
「違う、肌だ——なぜ急にそんなに熱くなったんだ?」
「へ?」
アンナは眉をひそめ、体を見下ろした。ジャーキンのふちから、ひとすじの煙が立ちのぼっている。
「フィーンドの血だわ……」
彼女は片眉を上げた。
「でも、こんなことなかったのに」
「なに? 誰もお前にキスしたことがないのか?」
彼女は肩をすくめた。
「キスしようとするやつなんていなかったわ。そんなことがあっても、こんなふうにはならなかったでしょうけど」
「それは、褒め言葉として受け取っておこう」
「ええ……その……」
アンナは周囲を見回し、尻尾をでたらめに振った。
「先に進むべきじゃないかしら? 突っ立ってお喋りしてる時間はないわ、ほんと」
「いや、まだキスは終わってない。こっちに来てくれ」
仲間たちの存在など、アビスに落ちろと思った。実際この瞬間は、アンナと一緒にいる場合に起こりうる未来と運命のことだけを考えていた。
アンナは不安そうに後ずさった。
「だめ——次はどうなるか分からないわ——体が炎に変わっちゃうかもしれないでしょう、ほんとに! あんたもその唇も、離れてて!」
ムードが壊れ、私は先だって巨大な骸骨を調べに行った。アンナとの用は終えた。少なくとも、今のところは。