カーストの地下道は、フィーンドや他の汚らしい生き物でごった返していた。私たちはトレロン、ヌッペリボー、レムレー、アビシャイ、さらにはゲレレスとも戦った。
さらに、テケラチと名乗る上級バーテズゥのコルヌゴンに出会った。このクリーチャーは、私の行動が自分の目的にかなうと感じているようだ。私がしていることがバーテズゥの利益になるかどうかにかかわらず、これほど率直に話すその自信に疑問を感じた。そのため、何が起きてもテケラチに目撃されないようにすることにした。
私は仲間に、このフィーンドを攻撃するよう命じた。フィーンドは一体だけであり、素早く処刑することが、あるいは少なくともカーストから排除することができた。完全に殺すことができたかは疑わしい。
また意外なことに、地下道で一人のヒューマンに出会った。歳と暗闇とで背中が曲がりひねくれた、汚らしい男だ。彼は私たちを見つけると恐怖に目を見開き、肩から長い脂ぎった髪がはらりと飛んだ。彼の指が、秘術的なパターンでうねり始めた。しかしこれまで切り抜けてきたことを思えば、彼の呪文など恐ろしくもなく、私はただニヤリと笑っていた。彼は両手を落とし、おかしな視線を私に向けた。
「ああ、また訪問者か? だれもかれも、この老いぼれ世捨て人を死ぬほど怖がらせたいんか? この坑道は、気ままな散歩のための場所じゃないんだぞ。なにが望みなんだ?」
「デーヴァを探している」
単刀直入にそう言った。
「噂は聞いたが、この老いぼれは見とらんな。きっと地下だろう。この場所はあらゆる善きものを閉じこめとるからな。だがわしはまだ見つけとらん。もし出会ったら、わしの神について訊いてみたいもんだな」
彼は音を立ててため息をつき、通路に視線を落とした。
「どういうわけか、ここから西にいるように感じる。見つけたこともないのにな。守護者でもついとるんだろう」
彼は私にウィンクした。
「しかし、ここで何をしているんだ?」
彼は再び騒々しくため息をつき、体勢を立て直し、しばらく周囲をでたらめに見回していた。
「カーストに来たのは、わしの神がカルケリに追放されたからだ。ずっとあのお方に近づこうとしとったが、牢獄次元界に入ることはできんかった。今は連れ出す方法を見つけようとしとる。善の
「どれくらいここにいるんだ?」
「長く、あまりにも長く、ほとんど忘れられた神に仕えとる。だが、わしは忘れとらん……そこらの怪物を絶えず避けねばならんとしても、あのお方を見つけ出す。わしが見つけ出す」
彼は遠くを見つめ、つぶやいた。
彼は自分自身と彼の神についてそれ以上話すのを拒んだ。彼がフィーンドである可能性もあったが、もしそうであっても少なくとも人の姿で忍ぶ知恵があり、そのため私が駆除を命じることはなかった。
そこを過ぎた地下道は、カーストの地下牢獄へとつながっていた。二十人かそこらのカーストの衛兵たちと戦い、ついに探していた人物を見つけた。その存在は、純然たる象牙の肌と、目もくらむような白い髪を持っていた。翼は黒焦げで羽根は破壊し尽くされているが、それでも彼は平和と愛を放っていた。
デーヴァは顔を上げ、視線を私に固定した。その声は純粋で、旋律のようだった。
「常命者よ、このトリアスに何を望むのでしょうか? 心の内を語り、私を楽園の思い出に浸らせてください」
私が答える前に、デーヴァの顔が硬いしかめ面に変わった。彼は頭をめぐらせ、モーテに視線を向けた。
「貴方からは、バートルの悪臭が厚く漂っています、頭蓋骨よ」
モーテはすぐに言い返した。
「アンタの臭いもひどいもんだ。最後に風呂に入ったのはいつだい?」
そのあいだ、フォール゠フロム゠グレイスはじっとデーヴァを調べていた。彼女は私に近づき、私だけに聞こえるように言った。
「このデーヴァさまは……これらの鎖は、この方を縛りつけることも、心を抑えこむことすらできていないようです……」
しかしダッコンには聞こえていたようで、彼は個人的な経験に基づく観察の結果をつけ加えた。
「鎖は彼を拘束しておらぬ。信念が彼を縛りつけておるのだ」
私はこのデーヴァの意見に興味をひかれ、助けを求める前に他の話題について質問することにした。自分の立場を明かす前に、このデーヴァのことを知りたくもあった。
「楽園の思い出?」
私の言葉に、彼の顔がかげった。
「残念ながら、二度と目にすることはないでしょう。アルカディアの整然とした美、エリュシオンの通景、セレスティアの七山……下方次元界が内包する醜さは、そこではすべてがかき消えて、真に救済を信じることが可能なのです。残念ながら、多くの者は刺激と力を求め、下方次元界にしか目を向けません……この場所で私に残されたのは、思い出だけです。さあ、私に何を望むのです、常命者よ? 心の内を語り、そして立ち去りなさい」
「お前の翼は、どうして燃えたんだ?」
彼が負傷し、しかし滅ぼされていないことに興味があり、そう尋ねた。
「これは、大いなる裏切りの一部です——私に対する手かせとして、彼らに焦がされたのです。私が地表を越えても逃げられないように。美の存在が寛大に取り扱われないことが、この場所の本質を表しています」
「なぜ閉じこめられているんだ?」
「この街の人々は——全員が裏切り者で——真実と美について何も知りません。彼らには許容できないのです。彼らは私をここに誘いこみ、鎖でつなぎました。悟らせようとはしたのですが、常命の者たちは、欲望を克服するための品格を成長させる考え方を、備えてはいません」
「わたくしはそうは思いません、トリアスさま」
フォール゠フロム゠グレイスが口をはさんだ。
「あなたは単に、彼らに対するご自身の魂に、過剰な信頼を寄せていたのでしょう」
冷笑が彼の美しい顔を歪めた。
「タナーリ殿、まさか貴方は、定命の者たちがそのような考え方を得ることができるなどと、信じてはいないでしょう? 貴方が貴方でなくとも——本能を超えようとする定命者たちを制圧せよと、貴方の本質が叫ぶでしょう」
私は彼の強い反応に驚いた。果てしない幽閉は、デーヴァでさえ気難しくするのだろうか。いずれにせよ、何か価値あることを学ぼうとすれば、彼を拘束している鎖を外す方法を見つける必要がある。
「お前はどうすれば解放されるんだ?」
「優しき行為がなされれば、自由の身となれるでしょう。私の剣——私の魂——は、そのような優しさの代行者です。私の剣を取り戻し、この鎖を打つのです。剣はこの牢獄のどこか、閉ざされ守られた部屋に保管されています。そこに立ち入るための鍵は分かっています」
彼が三つの難解な音節を口にし、それは私の記憶に焼きついた。
「私を解放するのです。そうすれば私は……貴方に借りができます。貴方が探し求めていることを、助けられるかもしれません」
グレイスが話したように、彼は何か躊躇しているようだ。そして私は、彼が私の望みを知っているかのように話したことに驚いた。
「私が求めていることについて、何を知っているんだ?」
彼は微笑んだ。悲しそうに。
「貴方はその痕跡の仮面を身につけ、心の内に帯びています。この鎖が解かれれば……貴方の目的をより深く見抜き、より正しく導くことができるでしょう。それまでは……」デーヴァは肩をすくめた。「それまでは、善き助言を与えることすらできません。この鎖が、記憶と直感を抑えているのです」
「
「ラヴェル……
彼の剣を見つけるまでは、これ以上質問しても意味はないようだ。残念ながら、それはこの牢獄の中心部に侵入することを意味した。私たちはさらに何十人もの衛兵と戦いながら、環状の独房と通路を突き進まなければならなかった。
最後の番人は、カシウスという名前だった。彼は私に知恵の勝負を挑むという間違いを犯し、私は躊躇なく打ち負かした。そして私は彼が守っていた剣をつかみ取った。剣は重く、触れると温かく、刃の表面に沿って炎が刻みこまれている。息をのむほど複雑な彫刻だ。金属の炎によって剣が燃えていると錯覚するほどの技巧で……誰かが何世紀もかけて表現したものに違いない。刃の金属には見覚えがない……重く、しかし銀のように輝いている。私は素早く剣を布で包み、荷物に押しこんだ。剣は文字通り心を持っているかのようで、長く接触する危険を冒したくはなかった。
カーストの権力者は、剣を使って魔法の監房に動力を供給するように、牢獄を切り替えていた。剣が取り除かれたことで、牢獄のすべての扉が開け放たれ、自由を求めた囚人が広間に群がった。私を止めるために呼び出された残りの衛兵は、囚人を逃がすよりはと
囚人たちは私や私の仲間を信用していなかったため、残りの衛兵を追い払った後は、彼ら自身に自由を手に入れさせることにした。私は鎖でつながれたデーヴァのところに戻り、見つけた剣を見せた。トリアスは一瞬衝撃を受けたように見えた。
「〈セレスティアの火〉……私の剣を取り戻したのですか? 私を解放してくださるのですか? そうであれば、この鎖を打つのです!」
答える代わりに、布で包まれた柄を手に取り、彼を拘束している鎖に剣を打ち下ろした。鎖は容易に両断され、雷鳴のような音が鳴り響いた。一瞬すべてが暗闇になり、そして指のあいだから剣が消えていることに気づいた。
「解放してくださったこと、感謝します。貴方には多くの借りができました」
彼の黒焦げの翼がはためいた。
「定命者よ、貴方は私に何を尋ねるのでしょうか? 残念ながら、恩恵という形で差し出せるものは、多くありません」
「定命性が私から盗まれた。それを取り戻したい」
「荒唐無稽な話です。ですが……貴方が求めることを、助けることができる者がいます。フュール・フォークト゠タングという名前のフィーンドです。彼が貴方を助けるでしょう」
デーヴァの唇が曲がり、小さな笑みを形作った。
「あのフィーンドは、慈善活動を行う義務を負っているのです」
「彼のところにたどり着くには?」
「この牢獄の北側に、ポータルがあります。その鍵は、壊れた鎖です」
彼は足元に散らばる鎖を見つめ、かがみ込み、その一つを私の手に押しこんだ。
「カーストを去ろうとする者にとっては、相応しい鍵でしょう」
「さようなら、定命者よ。私には……取りかかるべき……仕事があるのです」
彼は意味ありげに牢獄の天井を見つめ、海に飛びこむダイバーのように、頭上の土へと飛びこんだ。