前方には、シギルの新たなエリアが広がっていた。〈
追いかけたが、この地区を知る彼らには追いつけなかった。私たちは元の場所に戻った。
鎧を着た男に歩み寄った。明らかに、エッブ・クリークニーズが言っていた、ハーモニウムの衛兵だ。彼は序列三位のヴォルテンと名乗ったが、勤務中であり、助けは得られなかった。誘拐は彼の職務ではなかっただろうか?
周囲を見回すと、汚い服を着た中年の
荒れ果てた建物に出くわすまで、しばらく歩き回った。この区画には、修理が行き届いていない建物はここしかなかった。中に入ると、床に井戸のような穴が開いていて、骨のはしごが下に続いている。この場所に違いない。
下には半ダースの頭蓋骨の棚があった。〈葬儀場〉で目覚める前の、夢のような記憶で見たものだ。その棚の一つから、おなじみの声が聞こえてきた。頭蓋骨の一つがモーテだった。
「
「そこで何をしてるんだ?」私はそう尋ねた。
「あのワーラットの害獣どもにさらわれて、ここに連れてこられたんだ! さあ、総大将……ここから抜けだそう! この場所は厄介だ!」
「なぜ浮遊して降りてこないんだ?」
「やろうとしたさ! できないんだ! さあアイツが来る前に、オレを……」
「頭蓋骨よ、客人か?」ロタールと思われる男が尋ねた。
「あ~……いや」
モーテが私に遮二無二ささやいた。
「このブラッドを怒らせるな、総大将……つばを吐く間もなく
老人はモーテを無視した。
「こんにちは、旅人よ。ロタールの慎ましやかな画廊に許可なく入るとは、何者かね?」
礼儀正しく対応して、悪いことはないだろう。
「申し訳ない。しかしお前は、私のものを持っているようなんだ」
「おお、そうか? それは何であろうな?」
「お前の棚に収まっている、友人のモーテだ」
「並の生き物の半分ほども優雅さと作法に欠けた、喋る頭蓋骨が欲しいのか? 返して欲しくば、より素晴らしい頭蓋骨を持ってくることだ」ロタールはそう答えた。
「私のもののために、取引をする必要などない。そもそも彼はお前のものでも……誰のものでも……ないだろう」
「驚くべき無知だ。お主は極めてわずかしか物を知らぬようだ。さあ、別の頭蓋骨を持ってくるか、さもなければ友人に別れを告げることだ」
別の頭蓋骨はどこで見つかるのか訊くと、彼はこの地区の下の
「それはどういう意味かね?」
彼は怒りに声を荒げた。
「あの墓は幾重にも罠が仕掛けられ、念視の魔法からも守られ、わしにとってさえ難しいのだぞ! 何か訳があるはずだ。それは、」彼は腹立たしげに言葉を引き延ばした。「お、ぬ、し、が、解明しろ。下の部屋のポータルを通り、答えを見つけ出すのだ」
私もまた、憤りを感じた。彼が対応しているのは並の人物ではないと知るべき時だ。私はその墓が私自身のものだから、答えを知っているのだと言った。
「お主の墓? お主の墓だと?」
彼は慎重に私を見定めた。
「この件は、もっと慎重に調査すべきだな。お主の頭蓋骨に未練があるなら、別の頭蓋骨を持ってこい。その後、どのような答えが導き出せるか、確かめるとしよう。わしらの合意は変わらぬ。どこぞの骨で欺こうなどとは思うな——わしはそれなりの鑑定家なのだ。わしにとって価値あるものを手に入れたら、戻ってこい」
私は持ち歩いているもののことを思い出した。この数日で私が経験したことを知らなければ、忘れていたなどとは信じられないようなものだ。荷物の中から、ミイラ化した頭部を取り出した。
「ワーラットの
ロタールはソエゴの頭を受け取り、注意深く調べ、その歯を確認した。
「
彼の指が秘術的な形にゆがんだ。
「友人は地上で待っておるぞ。それがわしの答えだ」
ロタールは少しだけ打ち解け、いくつか質問に答えることに同意した。私はまず、なぜ自分が不死なのかを訊いた。
「お主の定命性が——言うなれば、お主が生き、そして死ぬことを可能とする魂が——失われておるのだ。魔術的手段によって、取り除かれておる。
彼は明らかに、私について今もらした以上のことを知っている。私は彼に、そのラヴェルについて話すよう求めた。
「ラヴェル・パズルウェルは
〈迷路〉! 〈
「〈迷路〉とは、ポケット次元界のようなものだ……空間のあいだの、小さな空間。たどり着くには、ポータルと鍵を見つける必要がある。その扉と鍵がどこにあるのかは知らん。古い知己を捜すべきだろうな——お主は間違いなく、痕跡を残しておろう。間違いなく、彼らのほうがお主を見つける——味方であることを願っておれ。おそらく、〈市民催事場〉に行くべきだ。そこに多くの答えがある」
ラヴェルは何をしたのか尋ねた。
「彼女は玩具とパズルの職人であり、解く必要のない問題を解く者であった。よりにもよってシギルを、この
ロタールは新たな所有物を持って、私たちを残して部屋を出て行った。彼がいないあいだに何かをすべきではないとは知りつつも、棚を調べてみることにした。髑髏を確認しながら歩いていると、その一つが話しかけてきた。その頭蓋骨の声は、火打石と打ち金が出すような、低いきしり音だった。
「お前……お前のことは、前に見た気がするぞ」
「どこでだ?」
「カースト。カルケリへの
当惑する私に、頭蓋骨は続けた。
「なんだお前、
「そこで何をしてたかって? お前を殺そうとして見当違いのとこに迷いこんだ
私がその『分け前』の場所を尋ねると、頭蓋骨は素早く侮蔑を返した。
「言うわけないだろ。俺はいつか体を取り戻して、そいつを手に入れるんだ。まあ、それが叶わないとしても、右往左往するお前を見るのは最高だ。せいぜい頑張れよ」
頭蓋骨は沈黙した。どれほど甘言を弄しても、再び喋らせることはできなかった。
別の頭蓋骨は——かつては〈嵐前の海〉として知られていたらしい——
「いいだろう。私は〈市民催事場〉の——
「恐ろしく醜悪なことに、彼女は魔法を使うことで、自らの姿を苦もなく偽装することができた——彼女はたびたびそうすると、あるいはそう
私は口をはさんだ。「それは間違いだったようだ」
「そうだ。私は取引を持ちかけられた。彼女は謎解きを考え、扱う者だからだ。彼女が私の質問に答えるなら、私は彼女の質問に答えなければならない。答えを間違えれば、私の命は彼女のものになる。私は同意した。彼女は
「彼女は私に質問した。その答えは彼女の顔の鼻ほども明白だと彼女は保証したが、私は答えられなかった。次の朝に
まだ話を終えるわけにはいかない。
「その質問は何だ?」
「こうだ。どうすれば人の本質を変えられるのか? 私はその答えを一生懸命考え、そして言った。『愛によってだ』と。彼女はこう言った。すべての人は自らを愛しすぎ、愛のような単純なものでは変わらないと。そして彼女は……彼女は……私はもう、休まなければならない」
かぎ鼻の非常に暗い皮膚の人物が、似た質問を私に対してする様子が、心の後ろに見えた気がした……しかし、私が何と答えたのかは思い出せなかった。
ほとんどの頭蓋骨は古すぎて、私の能力に答えることができなかった。とにかく、モーテと再開する時だ。ロタールの隠れ家を抜けて再び下層区に入ると、モーテがじれったそうに待っていた。
再び全員がそろったので、ラヴェル・パズルウェルについて何か知っていないか訊いてみた。私がその名前を口にすると、アンナは三回つばを吐き、心臓の前で半円を描いた。
「シーッ! あんたバカなの?! 命が惜しいなら、その名前を口にしないで! 〈灰色の貴婦人〉の中でも一番邪悪なやつなのよ、ほんと」
彼女は誰かの耳に入るのを恐れるかのように、声を落としてささやいた。
「下劣で卑劣で、そこらの
「まだ生きているような口ぶりだな」
「もちろん、生きてるに決まってるわ」
アンナは再び声を落とした。
「彼女みたいな存在を、どうやって殺すの? 〈
ラヴェルについて付け加えることはないか、モーテに尋ねた。
「ええと、彼女は
モーテは目を回した。
「やっぱり〈