ハーグリムは湧き上がる恐怖を感じた。あのよそ者の、ソエゴに関する話は真実かもしれぬ。仮にソエゴがあの重大な秘密をわずかにでも知り、敵に伝えていれば? ハーグリムはすぐに仲間を集め、ソエゴを見つけ、そしてソエゴの居室に戻った。そこで彼は、ソエゴと対峙した。
「ソエゴよ、汝が〈一なる多〉と結託していると、耳にしたのだが?」
「なに?! 虚偽だ! 酷い噂だ! 嘘だ!」
彼はそう答えたが、汗を流しはじめた。
「〈沈黙の王〉の大祭司に、嘘をつこうというのか?」
「違う! いや、ハーグリム、決してそんなことは……」
ソエゴが動いたが、ハーグリムが行く手をさえぎった。
「日記はどこだ? 見せてみろ。〈沈黙の王〉の眼前で、汝の無実を証明せよ」
追い詰められたことに気づいた彼は、訴えはじめた。
「ど……どうか……どうか慈悲を、ハーグリム……」
「ソエゴよ、ここでは〈
「だが……お前になど……ガァアアア!」
ソエゴは激高し、人のようなネズミに変身した。
「話を聞け、生者よ。汝を守るのは〈
しかしソエゴは、もはや話を聞ける状態ではなかった。
ワーラットは叫んだ。
「俺は囚われない! 死ねッ!」
ハーグリムは呪文を放ち、一歩も近づかれることなく殺害した。そしてしばらくのあいだ、静かに死体を見下ろしていた。
「終わった。〈沈黙の王〉がいつまでも、かような不浄から我らを守らんことを」